【木心通信Vol.147】社長Blog

平尾工務店 代表取締役 平尾博之

パンとサーカス

老子の格言の一つに「授人以魚不如授人以魚」があり、その意味は「釣った魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教える方がいい」というものです。釣った魚(財産)を子供に譲るよりは、魚の釣り方(財産の築き方)を教える方が、その子にとって生き抜く力を得る事になる、という経営の講演でした。

紀元前30年頃から西暦1453年までの永きに渡り、栄華を極めたローマ帝国の没落を象徴する言葉としてよく使われるという「パンとサーカス」。権力者が民衆の歓心を買い、政治への関心を弱める手段として食料(パンに例えて)と娯楽(サーカス=スポーツ観戦)を無償で配給していた事を表現している。
結果として、ローマ市民は働く事を放棄し、富を求めて働く者との貧富の差が拡大し、徐々にローマ帝国が衰退していく原因の一つとして社会的堕落を招いた「パンとサーカス」が後世にしばしば話題になって来た様です。

身近な我が国では、現役の財務省次官が寄稿した『このままでは国家財政が破綻する』という論文が話題となっています。
コロナ禍での政府や与野党の「ばらまき政策」への問題提起を含め、日本の将来への危機感をもって執政の方向転換を促しているものの様です。
国民全員への一時金給付や、飲食店関係への休業・時短協力金も莫大な額の「ばらまき政策」には違いありません。
振り返ると、バブル経済の崩壊後だけでも、デフレ経済対策や阪神淡路大震災や東日本大震災、またリーマンショック対応等で多くの現金給付や補助金が国民に配られてきました。
まさしく「パンとサーカス」の時代の政治手法を繰り返し、財源の当てがない「ばらまき」が日本を確実に衰退させているという憂いを記し、「今後の日本の財政のあり方」を提言している様です。

今ちょうど、衆議院選挙の真っただ中です。
日頃は 政治に ほとんど関心がありませんが、タイミングよく「パンとサーカス」の記事を読んだのも何かの因果と考え、「日本の将来」について、自分なりに「どうしたら良いのか?」を考えて見る時間を持ちたいと思います。
過去(世界の歴史や自分の成功や失敗経験)から、未来を考え予測する事は意義ある事と、常々思っています。

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