平尾工務店 代表取締役 平尾博之
サイバー攻撃
朝刊に「米国がイランにサイバー攻撃を実施」との記事。
米国サイバー軍司令部が先週にイラン革命防衛隊とつながりのあるスパイ組織に報復攻撃を仕掛けた、という事の様です。
6月13日にホルムズ海峡を通過していた、日本と台湾のタンカーが攻撃された事や、後日の米国の無人偵察機がイラン国境付近でイランのミサイル攻撃で撃墜された事に対する報復処置だとされています。
これまでは、「サイバーテロ」という名称で、サイバー犯罪者や産業スパイが、情報や金銭の搾取やデータの破壊を目的に行っていた事が記事になっていましたが、今回は米国が国家として他国に「攻撃」を仕掛けたことが大きな意味を持ちそうです。
従来の戦争は、陸海空という私たちにも見える範囲で行われていた争いが、超大国の宇宙開発への急速な開発競争から予感させる宇宙空間での戦争と併せ、インターネットやコンピューターを介した仮想空間(サイバー空間)に争いの領域が広がって来ているという現在社会の現実を見せつけられた様です。
私たち自身、20数年前までは想像すらできなかったインターネット社会の発展と、日常生活に欠く事のできない身近な情報社会の現実は、世界規模で新しい争いの舞台を作りました。
私たちは、第一次産業革命に始まり、「電化」「自動化」という大きな変化を生み、便利さや合理化による発展を遂げて来ましたが、片方では事故や公害や環境破壊という負の遺産も多く生んできたのです。
情報化時代という新しい「第四次産業革命」の恩恵を多分に受けて成長・発展している私たちにも、やはり、同時に負の側面があることの現実と立ち向かう必要をまた感じています。
たまたま時を同じくして、兵庫県警のサイバー犯罪対策課の方の講演を聞きました。老若男女の広範囲に普及したスマートフォンによる犯罪の現状についてのお話でした。
知らない内容のメール等には「手を出さない」、知らない相手からの「連絡には応じない」という、「不明な繋がりを遮断する」のが対策の第一番目という事の様でした。
「繋がる便利さ」と同時に、犯罪や攻撃が身近になってしまった現実を、一人一人が身近に感じ、自己責任で防衛する事が重要な時代になってしまいました。