近年では、日常会話の中でも「ストライキ」という言葉はほぼ聞かなくなった様に思います。言葉の意味すら考える機会もなくなっています。お母さんが駄々をこねる子供に対して「ストライキかな??」という使い方を聞く程度に思います。
今年の夏、久しぶりに「労働組合がストライキを慣行」という記事がマスコミを賑わせました。
池袋の西武百貨店本店で、日本では実に60年ぶりの百貨店全館休業の「労働組合ストライキ」による閉館でした。
労働組合が要求していた争点は詳しくは知りませんが、親会社であるセブン&アイ・ホールディングス(セブンイレブンの親会社)の本店の身売りに関する内容に異議があった様でした。
振り返ると、私の大学生時代にはストライキは年中行事の様に行われていました。当時の国鉄(今のJR各社)では、国労と動労という二つの組合が有り、競うあうようにストライキの先頭を切っていました。
有名な所では、1975年11月に「8日間のスト権スト」という大規模な国鉄ストライキが行われ、実に18万本以上の列車が運休し、1億五千万人以上に影響が出たと記録に有ります。
当時は、毎年春になると「春闘」と称してストが行われ、交通機関の運休もしばしばでしたが、1980年あたりからはその数も少なくなり、「春闘」も様変わりしたように感じます。
所が、最近の欧米では、労働者のストライキが各国で頻発しているます。
近年の異常な世界的な物価高に伴う生活苦等により、労働者の不満が高まっているのが原因の一つにあるようです。
原材料高や運搬コストの上昇といった不可避的コストアップ以上に価格が商品に転嫁され、一部の企業では収益が大きく伸びているのに、労働者への給与としての配分が不十分だとして、賃上げ要求でストを行っている場合もある様です。
記事によれば、日本のストライキが減少したのは、企業と組合が対抗的な団体交渉より、相互が情報を共有し意思疎通と合意形成を図る事がお互いに有益であるという認識が定着した事や、労働者の高学歴化も大きいと書かれています。
社内の有意義なコミュニケーションを図り、風通しと相互理解の育まれる企業文化を理想として、これからも企業経営に頑張っていきたいと思うところです。